ついに来た!

ついに来た!名だたるサウナーがベストサウナとして挙げる静岡の「サウナしきじ」に行ってきました。

実は私、静岡の町自体が初めて。静岡駅から暗い夜道を郊外に向かうバスに揺られていくのは何とも心細い思いでした(しかも一度バスを乗り間違えてしまい、親切なお客さんに正しいバス停まで案内してもらった)。このように、サウナしきじは決して交通の便のよいところにはないのです。

ここでサウナしきじの設備を紹介すると、サウナ室は二種類、フィンランドサウナとスチーム式の薬草サウナ。フィンランドサウナはサウナストーブが備えられていますが、ロウリュの類いは行われていない様子。湯船は水風呂と温水風呂、薬風呂の三種類。浴場の中央に小休憩用の椅子とデッキが置かれています(いずれも男湯の場合。以下同じ)。

言ってみれば、特段変わった設備やサービスがあるわけではありません。詳しくは述べませんが、休憩室や食堂も特筆することはないようでした。

それなのに全国のサウナーを魅了してやまないサウナしきじの魅力は何か。思うにそれは、基本を徹底する強さにあるのではないでしょうか。

サウナに限らず温浴施設全般の基本は何かといえば、水でしょう。ここ、サウナしきじでは全面的に地下水が使用されており、水風呂の流水口から流れる水を手のひらで受けてごくごくと飲んでも大丈夫なのです。日頃循環式の、時にはカルキ臭のある水に慣らされた身には、この水は飲めるんだと頭で分かっていても、飲む前に一拍間を置いてしまいますが、この水、正真正銘においしいです。

そして肌へのあたりがやわらかい。しきじといえば水風呂の素晴らしさが喧伝されることが多いですが、肌ざわりのよさは、むしろ同じ水を使っている温水風呂のほうがよく分かるかも知れません。まるでベルベットで肌を撫でられているような感じがします。もうひとつの湯船の薬湯風呂も絶品です。ハードコアなサウナーは水風呂に入っても温水の風呂には入らないと言われることもありますが、ここの風呂はそんなこだわりを忘れて入る価値があります。水風呂にせよ、温水風呂にせよ、きれいで適温な水(お湯)がたっぷりとしているという、当たり前ながら大事なことがおろそかにされていないのです。

そして清潔さ。しきじの設備はそれほど新しいものではないと思いますが、いずれも清潔に保たれています。また営業時間中にスタッフの方が洗い場を掃除しているのをちょくちょく見かけました。大抵の温浴施設では、よほど汚れたということのない限り、営業中に小まめに掃除はしていないのではないですか。さらにしきじでは、24時間営業と言いながら、浴場は毎日深夜清掃のため利用できない時間帯があります。最初は、真夜中にサウナに入れないのかとちょっとがっかりしたのですが、改めて考えれば、きちっと清掃時間を取ることで清潔さを確保しているのでしょう。

サウナに求められる本質は何かと考え、その基本を徹底することで、必ずしも恵まれた立地でなくても、また目新しい設備やサービスがなくても、お客さんを集めることができる。これはことサウナに限ったことではないかも知れません。

 

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